浮気にも時効がある!?
浮気の時効に関係がある「損害賠償請求権」や時効が成立してしまった場合等を解説していきます!
パートナーから浮気をされてしまった、もしくは自分が浮気をしてしまった……。
そんな場合は、浮気の時効について知っておくと離婚する際に有利になるかもしれないので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
浮気の時効とは?損害賠償請求権って何?
浮気の時効や損害賠償請求権について徹底解説していきます。
浮気にも時効や損害賠償請求権なるものが存在します。
時効が成立した場合は、浮気が後から発覚したとしても咎められない、慰謝料が発生しないと捉えて問題はありません。
パートナーの浮気が発覚したとして、損害賠償として慰謝料を請求できる権利のことを「損害賠償請求権」といいます。
浮気の時効後は損害賠償請求権が失われてしまいますので、時効成立には注意しなければいけません。
本来なら、浮気されてしまった場合は相手に慰謝料を請求することができます。
浮気は精神的苦痛!慰謝料請求の理由になる
自分が浮気によって心身共に傷ついてしまったり、浮気が原因で夫婦関係が破綻したり、離婚にまで発展した場合は、当然精神的苦痛を担ったと考えられますよね。
充分慰謝料請求の理由となると考えてください。
しかし、万が一浮気の時効で損害賠償請求権を失ってしまった場合、慰謝料の請求は一気に難しくなります。
パートナーを社会的・金銭的に咎めたいと考えているのでしたら、浮気の時効で損害賠償請求権を失わないように気を付けておかなければいけません。
「時効」とは、時が経つにつれて効果を失ってしまうということです。
浮気が発覚してからすぐさま弁護士を雇う等の行動を起こせば、時効が成立するようなケースはほぼありません。
損害賠償請求権を失わないためにも、はやめはやめの行動を心掛けてください。
浮気の慰謝料についてはこちらの記事にも詳しく書きました。よかったらチェックしてみてください。
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浮気の時効の期間はケースによって変わる
浮気の時効の期間とケースの関係性について紹介します。
浮気の時効の期間についてですが、基本的には「浮気が発覚してから3年間」です。
または、自分が浮気に気づかなかったとしても、パートナーと浮気相手の不貞が20年以上前であった場合も、浮気の時効が成立します。
浮気を知った日から3年間の時効は「消滅時効」と呼ばれ、浮気が行われた日から20年間の時効期間は「除斥期間」と呼ばれます。
これらの浮気の時効の期間はあくまでも「基準」だと考えてください。
パートナーの浮気のどの部分に精神的苦痛を感じたのかや、パートナーだけでなく浮気相手に請求する場合等で、浮気の時効の期間は大きく変わってきます。
時効の基準となる期間は3年もしくは20年
原則としては浮気が発覚してからの3年間か20年間が、浮気の時効の期間であることは変わりません。
しかし、主に「どのタイミングから損害賠償請求権の期間スタートされるか」は違ってきます。
ただし、どのような浮気のケースだとしても、基準となる期間が3年もしくは20年と決まっているので、その期間以内に行動すれば、浮気の時効期間を過ぎてしまうことはありません。
浮気の時効の期間とケースを考えるのは、あくまで「時効ギリギリで慰謝料を請求するかもしれない」場合のみ。
原則として早めに弁護士に相談しておくことで、浮気の時効と期間の問題は対処できます。
浮気の慰謝料請求の時効は請求する内容によって違う!
浮気の慰謝料請求の時効は、請求する内容によって違ってきます。
浮気に関する慰謝料という意味では特に違いはありませんが「浮気が発覚したことでどのような精神的苦痛を伴ったか」は人によって違いますよね。
要するに、人によって「浮気による慰謝料請求のケース」が違うのだと考えてください。
浮気慰謝料の時効の期間とケースはある程度関連性があります。
自分がどの点に関して慰謝料請求するかを基準に、浮気慰謝料の時効や請求期間を考えてみてください。
浮気そのものに対し損害賠償請求するケース
まず、「浮気そのもの」に精神的苦痛を感じたとして慰謝料を請求する場合は、浮気の事実を自分が知った時から時効がカウントされます。
元々浮気が発覚してから3年が損害賠償請求権と定められているので、浮気が発覚してから3年の期間が経過した段階だと、浮気そのものの損害賠償は請求できません。
婚姻関係の破綻に対し損害賠償請求するケース
浮気が発覚して婚姻関係が破綻・もしくは離婚する場合は、「婚姻関係が破綻した・離婚したタイミング」から、浮気慰謝料の時効がカウントされます。
これも、浮気して3年が経過したタイミングでは慰謝料は請求することができなくなると考えてください。
どのケースで請求するにしても、原則として浮気慰謝料の時効は「3年」と定められることが多いです。
浮気の慰謝料請求の時効は請求相手によって違う!
浮気の慰謝料請求の時効は請求相手によっても異なります。
まず、真っ先に浮気の慰謝料を請求する相手として判断できるのは、「浮気したパートナー」です。
仮にどこの誰と浮気をしたかわからなかったとしても、パートナーが浮気をした事実は明確ですよね。
パートナーに請求する浮気慰謝料の時効は、原則として浮気発覚から3年、発生してから20年が時効のタイミングとなっています。
離婚にまで至った場合は、「離婚した日から3年間」が浮気の慰謝料の時効となります。
パートナーの浮気相手が誰だか分からない場合
ただし、パートナーが「誰と浮気したのか」は自力で探ることができないかもしれません。
パートナーが口を割らなかったり、LINEに特定できる情報がなかった場合等が該当します。
この場合、パートナーの浮気相手には慰謝料請求を行うことはできません。
そのまま相手がどこの誰だかわからないと、あっという間に浮気慰謝料の消滅時効である3年が過ぎてしまうかもしれません。
浮気された側の不利益となるので、浮気相手が誰だかわからない場合は、除斥期間が浮気慰謝料の時効に適用されます。
例えば、浮気相手がわからなかったとしても、浮気が行われた日から20年以内に浮気相手の素性を確認できれば、いつでも慰謝料を請求することが可能となると考えてください。
浮気の時効は20年と3年?その考え方の根拠
浮気の時効は20年と3年と言われていますが、この2つの時効の考え方と根拠について紹介します。
浮気の時効は20年よりも、原則として3年と言われることが多いです。
この3年という浮気の時効は「浮気が発覚してから3年間」という意味です。
3年経過しなければ浮気の損害賠償請求権が残っているので、この間に慰謝料を請求すれば、浮気の時効を迎えることがなくなります。
一方で、浮気の時効は20年だとする考え方もあります。
ただし、この「浮気の時効20年」という説は、3年間のものと違って「浮気が発生してから20年間」という意味となっています。
20年の時効は浮気の被害者を救済する
例えば、夫が10年前に浮気をしていたことが今となって発覚したと考えてください。
浮気してから3年間が浮気の時効だとしたら、この浮気は時効になってしまうのですが、気づかなかった場合を考慮すると、浮気された側が泣き寝入りしてしまうケースの方が多くなってしまいます。
浮気が発生して20年間という除斥期間を定めることによって、何も知らない被害者(浮気された側)が泣き寝入りすることを防止できています。
当然、浮気の時効が20年になるか3年になるかは、自分の浮気のケースによって変わることになるでしょう。
どうしても複雑でわからないという場合は、弁護士に相談して浮気の時効が過ぎていないか等を確認してください。
浮気の時効は離婚した場合いつになる?
浮気の時効は離婚した場合はいつになるのか紹介します。
浮気の時効は離婚したら関係なくなるのでしょうか?
実は、浮気の時効は離婚した場合も存在しますし、慰謝料を払ってもらうための損害賠償請求権も存在しています。
浮気の時効は離婚した場合も効果があり、損害賠償請求権が切れてしまったら時効として扱われるようになるので、それ以降の慰謝料請求は難しくなるでしょう。
浮気の時効は離婚した場合も、慰謝料請求は原則として「離婚してから3年以内」に行わないと切れてしまいます。
3年がちょうど消滅時効となっているので、浮気の時効を考え、離婚したらすぐに慰謝料請求のために弁護士を雇った方がいいでしょう。
この場合の慰謝料は「浮気によって離婚したことへの慰謝料」。
ですので、浮気・不貞行為そのものによる精神的苦痛の慰謝料とはまた種類が違ってきます。
そのため、離婚したことで精神的苦痛を感じた場合の慰謝料は、あくまでも夫婦間の問題となります。
浮気相手への離婚の慰謝料請求は不可能
浮気相手に離婚の慰謝料を請求することはできません。
万が一浮気相手にも慰謝料を請求したいのであれば、「離婚したこと」ではなく「浮気行為そのものに対する慰謝料を請求する」というスタンスを取ってください。
雇った弁護士から詳しく説明を受けることになりますが、知識不足が原因で慰謝料獲得において損をしてしまうことがないようにしておきたいです。
浮気の時効は止められる?止める方法を紹介
浮気の時効を止める方法を紹介します。
浮気の時効は原則として3年、除斥期間が適用される場合は20年となっています。
しかし、この期間に裁判を起こしたり内容証明便を送付することによって、浮気の時効をストップさせることが可能です!
例えば、もうすぐ浮気の時効が迫っているタイミングだと、慰謝料請求にかかる手続きや相手が慰謝料の支払いを渋ってきた場合、請求することができなくなるリスクがあります。
浮気された上に、相手に渋られて慰謝料の支払いを引き延ばそうとされるのは、相手の思うツボであり、被害者がさらに損害を被る結果になりかねませんでした。
裁判で時効を止める方法
このように、浮気された側が不利益を被るような事態を防ぐため、裁判を起こせば浮気の時効を止めることができる制度が採用されていました。
仮に、浮気発覚から2年10カ月目で浮気の慰謝料獲得等の裁判を起こした場合、今までの2年10カ月という期間はすべて消滅することになります。
そして、また新たに10年の時効期間が設定されるという流れになります。
内容証明便で時効を止める方法
裁判を起こさない場合は、内容証明便を弁護士に作成してもらってパートナー(浮気相手)に送付するという手段もあります。
支払い通告の役割もある内容証明便ですが、時効を遅らせる効果もあります。
ただし、延長される時効は6カ月間だけで、なおかつその間に裁判の準備を行わなければいけません。
1度きりしか使えない浮気の時効を止める方法ですので、「その場しのぎ程度」に考えておくといいでしょう。
浮気の時効が成立してしまった後の対処法
浮気の時効が成立してしまった場合の対処法を紹介します。
原則として、浮気の時効が成立してしまった場合は、慰謝料を支払ってもらうことができません。
ただし、「相手が浮気の慰謝料支払いの時効の存在を知らなかった場合」は、慰謝料を支払ってもらえる可能性があります。
裁判や調停を通さずに、個別で「慰謝料を支払え」と言って、弁護士同伴で話し合いをして、慰謝料を支払わせる旨の書面にサインしてもらう等の方法があります。
万が一裁判になった場合は、「浮気の時効が成立している」という部分が論点となるので、慰謝料を支払ってもらえない可能性の方が高くなります。
まずは弁護士に相談を
万が一パートナーや浮気相手が浮気の時効成立についての知識があったとしても、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。
自分が直面した浮気問題の時効をはっきり知らなかったせいで、自分自身も時効を勘違いしている可能性があるからです。
一度弁護士に相談して「本当の浮気の時効はいつなのか」を確認した上で、対策を取ることができるのであれば対策を取ってください。
また、仮に「21年前に浮気していた」事実が明るみになったとしても、その21年前よりも後に浮気をしていた可能性もあります。
「自分が把握している浮気よりも後に浮気をしていないか」も浮気の時効を延長させる要素となるので、こちらも調べてください。
浮気の時効のまとめ
浮気の時効について紹介しました。
浮気の時効について正しい知識を持っていないと、慰謝料請求の観点から損をしてしまう可能性が高くなってしまいます。
万が一浮気されたとしても、早急に弁護士を雇って対策を練っておくことで、大損してしまうことはまずありえません。
まずは弁護士を探して、無料相談等を利用してください。
もし、浮気の時効を迎えてしまったから慰謝料を取れないと考えている人も、一度弁護士に相談してみることをおすすめします。
素人では判断できない「時効の穴」があるかもしれないからです。
専門家である弁護士に相談すれば、自分が考えている浮気の時効が本当に正しい可を教えてくれるでしょう。
浮気をされたからといって泣き寝入りしてしまう必要は一切ありません!
慰謝料請求に向けてできる限りのことを行いましょう。